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プロのフードコーディネートの現場
メディア情報2022.2.16
令和4年1月24日の日経新聞
この日の1面広告に警備会社の大手企業SECOM様の創立60周年の広告が掲載されました。
この広告の中の写真に写っているケーキとその背景のデザインは、本校校長の住川先生が制作したものです。
今回はその制作の風景をご紹介します。
プロの第一線で活躍するフードコーディネーターのお仕事をほんの少しご覧ください。
イチゴにクリームがついてしまうと、たとえ拭いたとしてもプロの撮影には使えなくなります。
色や艶などが微妙に変わってしまうからです。
やり直しのきかない作業です。慎重に進めます。
この撮影は事前準備に数週間かかっています。
ケーキのサイズは、グラフィックの大きさ、カメラのセッティング、天板のサイズなどをスタッフと打ち合わせして決めていきます。
そのサイズに合わせた土台を準備します。
そして、バランスをとりながら、ロゴ、トッピングのクッキーなど、各パーツの大きさをミリ単位で計算して、コツコツと制作作業を進めます。
イチゴやその他フルーツの大きさも同様にしてどのくらいの大きさが何個並ぶか見積もります。
そして、イチゴのサイズは大きすぎず小さすぎずの絶妙なものに決めます。経験値がものをいう計算作業です。
イチゴのチョイスはとても気を遣う作業です。カメラで写したときに最高の状態になるよう、新鮮で、すべての粒が理想の形をしていて、色つやが良いものをそろえます。
市販されているイチゴを見ていただけばおわかりだと思いますが、この条件ですべての粒をそろえるのはとても大変なことです。
仕入れ先にニュアンスまで伝えて準備するのは不可能ですから、自分の目で確かめながら選定します。
当日の早朝から市場を何件もまわって、やっと最高のものが入手できるわけです。
入手できなかったら大変なことになりますから、理想のものが手に入ったらホッと一安心!の瞬間です。
仕入れたイチゴはつぶさないよう慎重に慎重にスタジオまで運搬します。
絞ったクリームを崩さないようにしながら、上下左右のバランスを微妙に調整していきます。
慎重に作業を進めてやっと完成します。
カメラマンと共にチェックしながらセッティングします。
ここでも崩れないように慎重に。
ライティングの熱による影響などにも目を光らせます。
最高の作品が仕上がって、クライアント様にも喜んでもらえました。
作品が仕上がって皆さんに喜んでもらったときの喜びは格別で、制作過程の苦労はすべて忘れてしまうほど。とてもやりがいを感じるお仕事だそうです。
いかがでしたでしょうか?
これぞプロ。クリエイティブで緻密なお仕事ですね。
この広告の製作にあたり、プロデューサーから「住川先生しかできない」とおっしゃっていただいたことで関わらさせていただきました。
仕事をするうえで「信用」「信頼」がいかに大切かということがわかるエピソードです。
「食」は人にとってとっても大きな喜びをもたらすものです。
お祝いや季節、行事など、人生の様々な場面で「食」は主役になります。
喜びや感謝、愛情を伝えることができます。
だからこそ料理を目で見て楽しむことは、太古の昔から現代に至るまで非常に大切にされてきました。
本校では、様々な分野の第一線で活躍する先生たちのお仕事から取り入れられた、生きたノウハウが詰まった授業がたくさんあります。
お料理の基礎をしっかり学ぶ!と同時に、学生時代に感性を磨く勉強をしましょう。
それが、料理人として役に立つ教養と素養、柔軟な思考、応用力、創造力をもつことにつながります。
本校でなら、普通では目にすることのできない貴重な経験にも接することができますから、楽しんで学べます。
最後までご覧いただきありがとうございました。